なぜ同一会社のVtuberは増え続けるのか(3/3)
※この記事は特定企業の批判記事ではありません!※
この記事は前回の続きになります。
ざっくりですが前回では、
・新たなVアルファちゃんがデビュー!でも受け入れられなかった、反応が良くない…
→なら既所属のVとコラボしてあわよくばアルファちゃんをチャンネル登録してくれればいいよね!
→→それでもアルファちゃんを登録してくれない人に対してどうすれば…
最終話。「三姉妹Vtuber、ゼータ・シータ・イータ同時デビュー!」
自社所属Vの総数を増やすと何が起きるか
✕✕会社は新人デビューしたアルファちゃんを含め5人のVがいます。
登録者を増やして利益を上げたい企業は、新規獲得に励みます。
その為、5人のVはそれぞれがそれぞれのリスナーを獲得するためにコラボします。
コラボは何回でも大丈夫ですが、同じ相手だとリスナーもマンネリしていく…
であればコラボ先を変えていくのは当然の流れです。
5人であればコラボの組み合わせは26通りあります。
毎日コラボしても1ヶ月しか持ちませんね。
ここでマンネリを打破するために✕✕会社が打った対策は…新たに複数のVをデビューさせることです。
三姉妹Vtuberとして、新たにデビューしたゼータ、イータ、シータ。
3人が加わったことによってコラボの組み合わせは246通りになりました。
毎日コラボしても8ヶ月も持たせられます、2日に1回で1年以上です。
数が増えるとグループが出来る
※ここでいうグループは設定上のグループではありません。(○期生、○年生、○部...
しかし、Vとはいえども中身は普通の人間。
世を知らない学生もいれば、社会の波に揉まれた社会人もいるでしょう。
社員数が15人以上いるなら、あなたの職場を思い浮かべてください。
お昼休みに決まって一緒に取るグループがいれば、スマホをいじりながらコンビニ飯を食べる人もいれば、外で済ませてるのかお昼休みに姿を消す人もいるはずです。
全員が全員、十分なコミュニケーションをとれているかと言われると、それは違うでしょう。
隣の人の趣味は言えずとも、言動や仕事の傾向を知ってるだけでも上々ですよね。
要するに、新たなVが入ったとしてもその中身がそれぞれのグループに受け入れられるかもまた課題の一つとして生まれます。
パワハラ云々と社員に対する労働意識の圧力が企業たちに降りかかる中、Vに対して苦手意識がある相手でもコラボしろ!と強要もなかなかできません。
先程数が増えたことによって組み合わせが増えると言いましたが現実にはこういう問題も当然あるので実際の数値は低く考えたほうが良いでしょう。
面倒なので名前を省略して、✕✕会社に新たに5人のV増えたとしましょう。
これで13人になりました、組み合わせは5000以上になりましたが現実は…
- Vの中身が学生…4人
- Vの中身が社会人…3人
- Vの中身がフリーター…3人
- Vの中身が✕✕会社の社員…3人
Vの中身の事情がこういった風になっているかもしれません。
こう見てみると、話が合いそうに思えますか?
学生に税金の話が通じますか?フリーターが社員に待遇の話を持ち出せますか?
職業欄でグループを分けてみましたが、実際にはもっとドロドロしたグループがあるかもしれません、例えば登録者人数○○人以上、○○人未満とか、活動歴何ヶ月目とか…それこそ同じグループ内で分裂もあり得るわけです。
極端な話人数が増えても、上記のようにグループが出来てしまっているのなら、コラボの組み合わせは増えないでしょう。✕✕会社からすれば頭の痛い話ですが…。
で、あるならばそれぞれのグループに人数を増やせば組み合わせは増えますね。
はい、またVを増やしていくわけです。
そこでようやく前回お話した新規顧客である「B」と「C」、これに十分なアクション回数が増え「A」への変化をより促すことが出来、✕✕会社の目論見は達成しました。
賞味期限の短いVをなぜ増やすのか?
最初の記事でお話したVの賞味期限。
Vを雇用したとしても、人気が出るかどうかは出してみるまでわからないのに次々と雇用するのはどうなん?というのは当然の疑問です。
まずVに対する給与、全国の最低賃金が最下位が761円、1位が985円です。
完全週休二日制で一日8時間でざっくり計算すると、
761or985*8*20=121760円~157600円です。
1回の配信が大体1時間ぐらいのVが多いので、実際はもっと低いかもしれません。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/
この金額を✕✕会社は払った上で企業として利益を上げないといけません。
スパチャ、メンバーシップでこれを回収できるのか…
収入事情についてはあまり明るくないので詳しくは言及できません。
仮にこの✕✕会社所属Vが全員給与を回収出来るぐらい人気が出たとして話を進めます。
そうすれば他のVがデビューしたとき収益化が通るまでの虚無空間、人気が出ないVのがいたとしても他のVがカバーできる、それが続けば残念ながら契約終了。
活動を終了しても✕✕会社のVは沢山いますので、事前のコラボで根回しは十分です。
真の狙いは…
登録者を増やすのは企業として大前提の目標です。
ですが本当の狙いは他にあります。
利益を上げた、ということは収入があったということです。
その収入は?
広告収入より、登録者のスパチャ、メンバーシップ代ですよね。
あらすじを思い出すと、Vが増えすぎて休日が一瞬だったと言いました。
企業の狙いはそこにあります。
休日の時間を増やすなら視聴時間を減らす=登録者を減らす(絞る)
登録者を、✕✕会社のVに絞るのが目的です、いわゆる「箱推し」ってやつですね。
また、お金は有限ですからリスナーたちは登録者を絞ります。
ここで✕✕会社のVに登録者を絞らせれば個々人のVの売上の差異はあれども✕✕会社の利益は全体として伸びていきます。
まとめ
同一会社のVが増えていく理由とは?
- コラボ先の選択を増やし、新規顧客の獲得を狙う
- 運営会社の収入の底上げ
- リスナーを運営会社のVで囲み、他社に利益を渡さない
結果、リスナーの
「メンバー増やしてもこれ以上追いかけられない」
という言葉は企業側は意に介していない。
何故なら社員を食わせる為、利益を上げるため。
Vtuberはとても魅力的な存在です。
可愛いキャラクターが自分に反応してくれたり、好きなゲームをやってくれたり、目が離せない…時間を忘れて夢中になってしまうかもしれません。
けれど、視聴コンテンツにかけた時間で得られたものって「楽しい時間」しか無いですよね…。
どうせなら楽しい時間を過ごしながらなにかのスキルを身につけられたら良いですね。
そんな自戒の意味も込めて本記事を書きました。
最後に僕のおすすめのVです。
N-wordでバズり、幸か不幸か登録者を伸ばしつつあります。
コメ欄が外国語で溢れ、海外との繋がりを感じられ将来への期待が高まります。
ガッツリ2次元美少女ビジュアルですが、結構声が低く、ギャップが中々良いです。
最近は平成のゲーム大賞とも称賛されたクロノ・トリガーの配信をしていて、最初の視聴ハードルが低いのもポイントですね。
以上になります。
思ったより長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださって有難うございます!